京丸の藤原家 (浜松市天竜区)
- 2014/09/05
- 23:07
春野町にある「京丸の里(きょうまるのさと)」は、一説にはおよそ600年前に南北朝の落人がこの地に隠れ住んだのが起源と言われています。
それだけに、訪ねるのも大変な山奥にあり、秘境といわれてきました。
また、遠州七不思議の中のひとつ、「京丸牡丹」の伝説が伝えられている地でもあります。
60年に一度、傘ぐらいの大きな白いボタンが京丸の谷に咲き、それは天変地異の前兆であるといわれています。
深い山奥に京丸の里があります。

集落には、藤原さんという由緒ある家が一軒だけ残っています。
たったひとりで里に住んでいた前のご当主(第18代)が1980年に亡くなられてからは、家だけの無人の里になってしまいました。
今は、春野町の気田(けた)にお住まいの第19代のご当主が、家の手入れに来られるだけだそうです。
訪れたのは、2014年5月18日です。
事情があって書きかけのまま時間が経ってしまい、掲載するのが遅くなりました m(_ _)m
京丸の里を訪ねるのは2回目になります(前回は2005年9月18日)。
朝5時半に主人の運転で伊豆の家を出発、節約のため、東名高速道路の使用は清水からにして掛川で降りました。
普通なら、京丸の里に通じる石切の林道ゲートまで春野石切線を通って行きますが、路面決壊で通行止めになっていました。
迂回したので少し時間が余分にかかり、駐車場所に着いたのは10時過ぎになってしまいました。
以前来たときは、石切の林道ゲートのすぐ前で車を駐車し(林道は一般車両通行止めです)、徒歩1時間半ぐらいで、京丸の里に行くことができました。
しかし今回は、林道ゲートのかなり手前で道路の端が崩れ、ここも車両通行止めになっています。
通行止め箇所のすぐ前の道路端に車を駐車し、そこから歩くことになりました。
崖崩れの現場。人やバイクなら通れます。

山奥の細い道路は、崖崩れなどで不通になることがけっこうあるようです。
事前に通行できるか調べ、現地に行ってもそういう道路の入口に注意看板があれば、それを見逃さないことが大事ですね…。
下までけっこう高さがあります。

林道ゲートまで40~50分かかりました。
ということは、京丸の里までの所要時間は片道2時間半ぐらいになりそうです。
ここで道がふたつに分かれていますが、京丸の里は右のゲートを進みます。
林道はある程度整備されていて、歩きやすかったです。
蛭が多い土地ですが林道にはいなかったし、スズメバチも見かけませんでした。
(以前9月に来たとき、スズメバチの巣のすぐ脇を通る経験をしました ^_^;)
この時期を選んで正解でした。
これ以上暑くなると、蛭やダニが増えて悩まされるかもしれません。
熊避けにリュックにつけたカウベルが鳴って少々うるさいですが、熊に遭遇するよりましです。
行きは登りが多いのでちょっと息が切れますが、大変というほどでなく、楽しく歩くことができました。
快晴で5月の緑が青空に映え、崖下を流れる京丸川も綺麗で、とても気持ちが良かったです。
これが京丸川です。

日曜日のせいか、時たま渓流釣り目的の人に会いました。
平日なら誰にも会わないかもしれません…。
林道ゲートを過ぎてまもなく、主人が後ろを見ていきなり「びっくりした!」と大きな声で言いました。
ボルゾイ?を2匹連れ、サイクルウエアを着た男の人がマラソンをしていて、私達を追い抜いていきました (@◇@;)
何で熊が出るような人気が無い山奥を走っているのでしょう。(しかも犬連れで)
トライアスロンの選手でもされているのでしょうか。
その人とはもう一度、京丸集落に近づいた頃、折り返してきたのに会いました。
石切の林道ゲートから京丸の里まででも往復10キロぐらいあります。
ある程度整備された林道とはいえ歩くのも大変なのに、すごい体力です ね(@_@)
モンキーバイクに乗った釣り人のおじさんに、「京丸集落への入口まであと500mぐらいだよ」と教えてもらいました。
そのあたりまで来ると見覚えのある曲がり角が現れました。
京丸の里に通じる曲がり角

曲がり角には「林道京丸線 起点」と書かれた小さな立札があり、閉鎖されていないゲートの鉄柱に担当地区の巡査さんのシール(随分前のものですが)が貼られていました。
手書きですね。

多分、ここが集落の入口です。
少し進むと、崖崩れで道路がふさがっていました 。またですかね… (゜o゜)
車は無理ですが、人なら通れます。

崖崩れのところから振り返った風景です。

崖崩れを乗り越えて進むと、廃屋が現れました。
いよいよ京丸の里に着きました \(^o^)/
集落の様子です。


藤原家は9年前と変わらず健在でした (^_^)
駐車場所からの所要時間は2時間58分、約3時間かかりました。
時刻は午後1時頃です。
(道草をしなければ、2時間半ぐらいで来れたと思います)
築110年という藤原本家です。


由緒ある家柄と伝えられ、代々「葉菊」を紋としていたそうです。
瓦に「葉菊」の紋がありますね。

藤原家の前の道でお昼ご飯を食べました。
歩いているときは少し汗ばむぐらいだったのですが、しばらく座っていると風が涼しく感じられるようになり、半袖では少し寒くなりました。
上着を持ってきて良かったです。
伝説の京丸牡丹谷は藤原家と向かい合っています。
藤原家の先代(第18代)のご当主も、大正2年に大ボタンが咲いたのを見たとのことです。
シロヤシオの花のかたまりが大ボタンに見えたという説もありますが、伝説を信じたいです。
ロマンがありますから…。(でも、天変地異は困りますね)
木で隠れてますが、正面が京丸谷です。

「京丸藤原本家と牡丹谷」の説明の石碑。

石碑によると、慶長4年には里には20件余り家があったそうです。
また、有名な民俗学者である折口信夫博士は京丸の里に興味を持ち、この藤原本家で1泊したそうです。
当時は細い険しい山道しかなく、訪れるのが非常に大変だったようです。
(昭和になって林道ができたため、かえって里から人が出て行ってしまったと聞きました)
石碑のそばの2本の杉の大木も健在でした。
樹齢は不明とのことですが、この大きさですから、相当生きているんでしょう。
2005年9月18日に来たときは、木に近づくため草むらに入ったらダニが這い登ってきましたが、今回はまだいませんでした、良かったです~。
人がすごく小さく見えますね。

集落には1時間ぐらいしか滞在できませんでした。
午後2時になったので、日のあるうちに車まで戻るため、心残りでしたが里を離れました。
少し雲が出てきましたが曇ったというほどでなく、順調に駐車場所まで戻ることができました。
今回の歩行時間の合計は、5時間39分、歩行距離はなんと20.486kmでした \(@◇@)/
スマホの記録です。

伊豆の家に着いたのは午後10時頃でした。
次の日はもちろん筋肉痛になりましたよ~ (^_^;)
アクセス: 東名高速道路方面から
国道362号線で春野町に入り、白井鐵造記念館を過ぎてまもなく小石間トンネルのほうに左折、
389号線に入り、分岐に出たら右折、私道春野石切線に入るので林道ゲート(付近)まで進みます。
(このルートは一例です)
駐車場:
なし。林道の端に駐車することになります。
通行の邪魔にならないように気をつけましょう。
※もちろんトイレも売店もありません。そのことを念頭において準備しましょう (^.^)
※ポイズンリムーバー
、熊避けのカウベル
、蛭避け用の塩、防虫スプレーの用意をおすすめします
☆ 私が愛用しているポイズンリムーバーです。
今まで、アシナガバチ、ブヨに刺された時に使用しました。
個人的な使用感ですが、あまり腫れず、痛み(かゆみ)もすぐに治まり、購入して良かったです。

それだけに、訪ねるのも大変な山奥にあり、秘境といわれてきました。
また、遠州七不思議の中のひとつ、「京丸牡丹」の伝説が伝えられている地でもあります。
60年に一度、傘ぐらいの大きな白いボタンが京丸の谷に咲き、それは天変地異の前兆であるといわれています。
深い山奥に京丸の里があります。

集落には、藤原さんという由緒ある家が一軒だけ残っています。
たったひとりで里に住んでいた前のご当主(第18代)が1980年に亡くなられてからは、家だけの無人の里になってしまいました。
今は、春野町の気田(けた)にお住まいの第19代のご当主が、家の手入れに来られるだけだそうです。
訪れたのは、2014年5月18日です。
事情があって書きかけのまま時間が経ってしまい、掲載するのが遅くなりました m(_ _)m
京丸の里を訪ねるのは2回目になります(前回は2005年9月18日)。
朝5時半に主人の運転で伊豆の家を出発、節約のため、東名高速道路の使用は清水からにして掛川で降りました。
普通なら、京丸の里に通じる石切の林道ゲートまで春野石切線を通って行きますが、路面決壊で通行止めになっていました。
迂回したので少し時間が余分にかかり、駐車場所に着いたのは10時過ぎになってしまいました。
以前来たときは、石切の林道ゲートのすぐ前で車を駐車し(林道は一般車両通行止めです)、徒歩1時間半ぐらいで、京丸の里に行くことができました。
しかし今回は、林道ゲートのかなり手前で道路の端が崩れ、ここも車両通行止めになっています。
通行止め箇所のすぐ前の道路端に車を駐車し、そこから歩くことになりました。

山奥の細い道路は、崖崩れなどで不通になることがけっこうあるようです。
事前に通行できるか調べ、現地に行ってもそういう道路の入口に注意看板があれば、それを見逃さないことが大事ですね…。
下までけっこう高さがあります。

林道ゲートまで40~50分かかりました。
ということは、京丸の里までの所要時間は片道2時間半ぐらいになりそうです。
ここで道がふたつに分かれていますが、京丸の里は右のゲートを進みます。
林道はある程度整備されていて、歩きやすかったです。
蛭が多い土地ですが林道にはいなかったし、スズメバチも見かけませんでした。
(以前9月に来たとき、スズメバチの巣のすぐ脇を通る経験をしました ^_^;)
この時期を選んで正解でした。
これ以上暑くなると、蛭やダニが増えて悩まされるかもしれません。
熊避けにリュックにつけたカウベルが鳴って少々うるさいですが、熊に遭遇するよりましです。
行きは登りが多いのでちょっと息が切れますが、大変というほどでなく、楽しく歩くことができました。
快晴で5月の緑が青空に映え、崖下を流れる京丸川も綺麗で、とても気持ちが良かったです。

日曜日のせいか、時たま渓流釣り目的の人に会いました。
平日なら誰にも会わないかもしれません…。
林道ゲートを過ぎてまもなく、主人が後ろを見ていきなり「びっくりした!」と大きな声で言いました。
ボルゾイ?を2匹連れ、サイクルウエアを着た男の人がマラソンをしていて、私達を追い抜いていきました (@◇@;)
何で熊が出るような人気が無い山奥を走っているのでしょう。(しかも犬連れで)
トライアスロンの選手でもされているのでしょうか。
その人とはもう一度、京丸集落に近づいた頃、折り返してきたのに会いました。
石切の林道ゲートから京丸の里まででも往復10キロぐらいあります。
ある程度整備された林道とはいえ歩くのも大変なのに、すごい体力です ね(@_@)
モンキーバイクに乗った釣り人のおじさんに、「京丸集落への入口まであと500mぐらいだよ」と教えてもらいました。
そのあたりまで来ると見覚えのある曲がり角が現れました。
京丸の里に通じる曲がり角

曲がり角には「林道京丸線 起点」と書かれた小さな立札があり、閉鎖されていないゲートの鉄柱に担当地区の巡査さんのシール(随分前のものですが)が貼られていました。
手書きですね。

多分、ここが集落の入口です。
少し進むと、崖崩れで道路がふさがっていました 。またですかね… (゜o゜)
車は無理ですが、人なら通れます。

崖崩れのところから振り返った風景です。

崖崩れを乗り越えて進むと、廃屋が現れました。
いよいよ京丸の里に着きました \(^o^)/


藤原家は9年前と変わらず健在でした (^_^)
駐車場所からの所要時間は2時間58分、約3時間かかりました。
時刻は午後1時頃です。
(道草をしなければ、2時間半ぐらいで来れたと思います)
築110年という藤原本家です。


由緒ある家柄と伝えられ、代々「葉菊」を紋としていたそうです。
瓦に「葉菊」の紋がありますね。

藤原家の前の道でお昼ご飯を食べました。
歩いているときは少し汗ばむぐらいだったのですが、しばらく座っていると風が涼しく感じられるようになり、半袖では少し寒くなりました。
上着を持ってきて良かったです。
伝説の京丸牡丹谷は藤原家と向かい合っています。
藤原家の先代(第18代)のご当主も、大正2年に大ボタンが咲いたのを見たとのことです。
シロヤシオの花のかたまりが大ボタンに見えたという説もありますが、伝説を信じたいです。
ロマンがありますから…。(でも、天変地異は困りますね)
木で隠れてますが、正面が京丸谷です。

「京丸藤原本家と牡丹谷」の説明の石碑。

石碑によると、慶長4年には里には20件余り家があったそうです。
また、有名な民俗学者である折口信夫博士は京丸の里に興味を持ち、この藤原本家で1泊したそうです。
当時は細い険しい山道しかなく、訪れるのが非常に大変だったようです。
(昭和になって林道ができたため、かえって里から人が出て行ってしまったと聞きました)
石碑のそばの2本の杉の大木も健在でした。
樹齢は不明とのことですが、この大きさですから、相当生きているんでしょう。
2005年9月18日に来たときは、木に近づくため草むらに入ったらダニが這い登ってきましたが、今回はまだいませんでした、良かったです~。
人がすごく小さく見えますね。

集落には1時間ぐらいしか滞在できませんでした。
午後2時になったので、日のあるうちに車まで戻るため、心残りでしたが里を離れました。
少し雲が出てきましたが曇ったというほどでなく、順調に駐車場所まで戻ることができました。
今回の歩行時間の合計は、5時間39分、歩行距離はなんと20.486kmでした \(@◇@)/

伊豆の家に着いたのは午後10時頃でした。
次の日はもちろん筋肉痛になりましたよ~ (^_^;)
アクセス: 東名高速道路方面から
国道362号線で春野町に入り、白井鐵造記念館を過ぎてまもなく小石間トンネルのほうに左折、
389号線に入り、分岐に出たら右折、私道春野石切線に入るので林道ゲート(付近)まで進みます。
(このルートは一例です)
駐車場:
なし。林道の端に駐車することになります。
通行の邪魔にならないように気をつけましょう。
※もちろんトイレも売店もありません。そのことを念頭において準備しましょう (^.^)
※ポイズンリムーバー


☆ 私が愛用しているポイズンリムーバーです。
今まで、アシナガバチ、ブヨに刺された時に使用しました。
個人的な使用感ですが、あまり腫れず、痛み(かゆみ)もすぐに治まり、購入して良かったです。
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